フレンドごっこ

トヨタ、需要減と円高で営業赤字が大幅に拡大へ。

 [東京 8日 ロイター] トヨタ自動車<7203.T>は8日、2010年3月期の連結業績(米国会計基準)は8500億円の営業赤字になる見通しと発表した。販売の落ち込みと円高をコスト削減で補い切れず、初の連結営業赤字となった09年3月期からさらに損失が拡大する。

 トムソン・ロイターエスティメーツによる主要アナリスト20人の予測平均値は3873億円の赤字だった。

 売上高は前年比19.6%減の16兆5000億円、税引き前当期損益は8500億円の赤字、当期損益は5500億円の赤字を見込む。

 会見した渡辺捷昭社長は「中国やインドなど一部地域では回復がみられるが、欧米を中心に景気回復にはしばらく時間がかかる。足元の市場環境が当面続くと覚悟しなくてはならない」と述べた。2011年3月期に黒字浮上する可能性については「黒字化に向けて努力したい。できるだけ今期の(赤字)レベル以下にしていきたい」と語った。

 <設備投資を4割弱減額>

 日野自動車<7205.T>とダイハツ工業<7262.T>を含めた10年3月期のグループ世界販売は650万台を見込む。09年3月期の756万7000台から約106万台減少し、8000億円の減益要因となる。ただ、政府が検討している環境対応車への買い替え促進策の効果は、国内販売の見通しに織り込んでいない。

 通期の為替レートはドル/円95円、ユーロ/円125円で設定。損益を4500億円押し下げる。一方、原価低減と固定費削減で8000億円を取り戻す計画だが、台数減の分だけしかカバーできず、「為替の分は(補える)十分なメドが立っていない」(渡辺社長)という。

 設備投資額は8300億円を計画。09年3月期の1兆3025億円から4割弱減らすことで、減価償却費を前年の1兆0721億円から1兆円に圧縮して固定費の負担を軽減する。研究開発費は8200億円(09年3月期実績は9040億円)を見込んでいる。 

 <前期は決算期変更以降で初の減配>

 併せて発表した09年3月期の連結業績は4610億円の営業赤字だった。トムソン・ロイターエスティメーツによる主要アナリスト20人の予測平均値は4690億円の赤字だった。年間配当は1株100円(前年は140円)。決算期を変更した1995年3月期以降、初の減配となる。

 売上高は前年比21.9%減の20兆5295億円、税引き前当期損益は5603億円の赤字、当期損益は4369億円の赤字だった。



 渡辺社長は「全地域で収益が悪化した。地域分散という当社の強みが生かせなかった」と述べた。